伊藤麻耶子 薄羽美江 渋谷友理香 大桃綾子
伊藤麻耶子
歴史を振り返るとさまざまな発明、発見により生活は便利になり、戦争は全くなくなってはいないが、平和な世の中になってきた。差別問題はまだあるが、人々はそのことに意識を向け始め、多くの会社でもDEIに取り組んでいる。この世の中はこれからどのような方向に向かっていくのかという問いを立てたとき、今まで歩んできた道を振り返っても、必ず良い方向に向かっていくと信じている。便利な世の中になったのにさらに忙しくなったと言う議論もあるが、さまざまなことが効率化され、交通機関の発達により移動も簡単になって、世界も広がり、選択も増えた。解決すべき問題はこれからも常にあるであろうが、今までも人間は常に解決策を見つけてきた。それら全てに通じこれからも大切になるのは教育だ。どのような教育を受けるかで人間は大きく変わると思う。私自身、今回のこの塾をきっかけに本に引用された様々な本を読み、日本のことを学び、誇りに思える国だとさらに思えるようになった。また広く視野を持ち日本だけにこだわらず、世界を見て日本を見ると言う姿勢が大切だと思った。一方、ブータンの幸福度が下がったのは情報鎖国が解かれ、他国と比べるようになったからと言われている。世界が広がるとこう言う心理も働くのかと言うこともあるが、やはり、世の中の発展には教育が必須であると思う。
日本の教育や文化を見たときにコインの裏表があるように例えば一つの習性にも良い面と悪い面がある。日本の幸福度が低いのは、他人と比べたがる文化があるからでもあろう。普通が良い、また他人の目を気にしすぎるところは行動の妨げになるように思う。他人を第一に考えると言うのは良いことであるように聞こえるが、まずは自分を大切に、他人のことを気にしすぎて自分の信じることができなければ元も子もない。一人一人が自分の信念に従って行動をすれば、世の中は良い方向に進むと信じている。
さてどのような世の中にしたいか。戦争がなく、皆が幸せに感じる世の中になればよい。先にコインの裏表の話を述べたが、日本人は自分のみの利益を考えず全体最適を目指すことだと思うが、この日本の心は平和な世の中に導く力があると思う。
自分自身においてはこれからも引き続き多くの書物に触れ歴史を学んでいきたい。 現在勤務している会社では既に取り組んでいるが、DEIの考えを広げること。会社を離れたとしても何らかの形で続けたい。また今も携わっているアフリカ支援の活動、―アフリカの方が日本のシステムをコピーしたいと言っていたので、何らかの形で助けたい。 またU理論(MITのオットーシャーマンの提唱した理論)を広めるNPOに携わっているが、そこで学んでいることとこちらの塾で教わったことに共通項があると思えるので 何らかの形で共創できればさらに何かが生まれるかもしれないというぼんやりとした考えも浮かんできた。 会社では塾でのダイアローグの方式を取り入れて、様々なBackgroundのグループを作り2回ほどセッションを開き、好評であった。引き続きこちらで学んだ経験を活かして次の活動・学びに繋げていきたいと思っている。
薄羽美江
2021年10月26日、岸田前総理大臣時代、総理大臣官邸において新しい資本主義第一回会議が開催されたことを思い返しております。以来、日本の「新しい資本主義」のビジョンとその具体化について「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトに会議が重ねられました。果たして、現代、日本の資本とは何を指し、どのような可能性を未来に拓くものでしょうか?かつて、宮沢賢治が『農業芸術概論』で、大自然の懐にあって「直観」と「情緒」を育み、日々の営みを真・善・美にまで高め、風とゆきしし雲からエネルギーを取れと詠みました。その、美しくしなやかなヴィジョンが掲揚されたように、新たな日本の歩みのこれからの可能性について、私たち市井の民も共に議論を重ねたいと願うものです。自啓共創塾において、日本のこころを核にして共に語り合えた幸いなる學びを通じて、次のような「日本の夢が実現する未来」を、最終レポートとして述べさせていただきたく存じます。
日本の未来。私たちの国土に広がる山野には樹木や草花が豊かで、保全が行き届き、大地には瑞穂がたおやかに風光にそよいでいます。そのふくよかなる地表を満たしていく湧水や渓流は美しく澄み清まり、四方大海へ勢い増して流れがそそいでゆくのです。
日本の未来。私たちの母国を支える食卓には、安心と安全が確かで、管理が行き渡り、心身には栄養がすこやかに活力をもたらしています。その豊かなる市場を満たしていく農産物や水産物は正しく守り育まれ、国内外へと誉れ高く美味しさがひろがってゆくのです。
日本の未来。私たちの生活が営まれる社会には、理念や哲学が詳らかで、配慮が行き交い、国政には市民がこまやかに対話を生み出しています。そのしなやかなる叡智を満たしてゆく知識や経験は善く磨き研がれ、自他互恵へと慈悲深く幸せがつながりあってゆくのです。
そして、私たちは、明日の夢や希望を抱くことができます。目を輝かせながら、未来を語り合っています。そして、こうして日々をつつがなく過ごすことができる毎日の生活に感謝を捧げ、「ああ、ほんとうに生きていてよかった」と、自らの生命力を高めゆくのです。
こうして、国民一人ひとりは、過去からの歴史とその叡智に學び、今を常に真摯に見つめ、未来に持続可能な、真に豊かで平和な社会を継承する賢慮を研ぎ磨きます。日本という国家の五穀豊穣と精神の倫理道徳とを守り抜く、次世代への愛情に満ちた教育を見失うことはありません。
それはまた、日本にとどまることがないものです。
私たちはどこからきて、私たちはどこにいるのか。そしてどこへいくのか。
広大無辺なる漆黒の宇宙空間に、大気と水をたたえて青く輝く奇跡の星、地球。私たち人類がそう呼ぶ、この星に住まう人類の一員として、私たちは地球上の世界各国と共につながりあっているのです。
渋谷友理香
日本の良さ、日本のこころの良さをもっと世界に広めていきたい。
それぞれの国が、自国の文化を大切にしながら共存できる世界にしたい。
自啓共創塾に参加し、日本の文化や歴史について改めて考えることで、学生時代とは異なる観点で日本の良さを学ぶことができた。近年、グローバル人材の育成を掲げている企業や学校が多いが、海外に目を向ける前に、まずは正しい日本語を使い、日本についてよく理解することが、国際社会で活躍できる第一歩だと考える。そのために、以下の点を大切に今後行動していきたい。
① 心の優しさ、謙虚さ
日本人の意見は曖昧であり、グレーゾーンが多いと海外の方からは思われている。しかしそれは、白黒をはっきりさせないという日本人の優しさであり、相手に理解を示し歩み寄る寛容さがあるからであると学んだ。日本人の心の優しさ、謙虚さを大事にして行動していきたい。
② 個々の文化や言語を尊重した「国際化」
ルールや制度を共通化し「グローバル化」することは、物事を推進する上位者にとっては都合の良いことであるが、各国の伝統や文化は薄れてしまう。各国の伝統や文化を尊重し、お互いの違いを認めつつ交流できる世界にしていきたい。最近、英語をそのまま取り入れたカタカナ語が増加しているが、きちんと日本語訳をし、日本語の意味を正しく理解することが大切だと学んだ。個々の文化や言語を尊重した「国際化」を推進するために、まずは自国の文化や言語と向き合っていきたい。
日本とはどのような国なのかを理解するためには、他国の文化も理解する必要がある。相手を知ることで違いに気づき、自分を知ることができる。日本がすごいと思い他国を下げるのではなく、文化的背景、各国の善悪の基準も理解して歩み寄ることができる人を増やしていきたい。
最後に、自啓共創塾において、幅広い年代かつ様々な職種の方と会話できたことは、とても貴重な経験となった。自分の意見を伝えることはあまり得意ではないが、本塾に参加したことで、自分なりに感じたこと、考えたことを整理し発信することに抵抗を感じることが少なくなった。このような貴重な機会をいただけたことに、心より感謝申し上げる。
大桃綾子
自啓共創塾での学びを通して、最も印象に残ったことは、日本のこころは想像していた以上に自分の中にあったということ、そして日本のこころの存在を自分自身が言語化・認識出来ていなかった、ということです。
まず日本のこころが自分の中にあった、という点については、嬉しく思いました。例えば、私はいつ死んでもいいと思って生きていますが、この背景には武士道の考え方があったこと。新入社員時代に現場を見ろと言われ続けたことは、陽明学の知行合一に通ずること。自分が大切にしてきたものの背景が繋がり、理解度が一段上がったと思いますし、日本で育ったことへの感謝の気持ちがより強くなりました。
グローバル化(地球化)が進むこれからの世界・社会において、自然の中に自らを内包して捉える日本のこころが、争いから共存へ、よりよい社会へと向かう貢献ができると強く感じています。そのためには、無意識での日本のこころの体現だけでなく、日本のこころを知り、自らの言葉で語り、伝えることが必要です。
私は50代の方が、セカンドキャリアを考え実践する越境学習の事業を5年前に立ち上げました。50代の方が、それまで考えたこともなかった、その先の人生についてビジョンを言語化され、軽やかに次の活動を始めていかれる姿にはいつも胸を打たれます。こうしたビジョンは、ご自身は無意識ではあるものの、日本のこころと密接に関わっていることも、自啓共創塾での学びを通じて気づくことが出来ました。
日本は働く人の約6割が45歳以上、更に人口が減少する社会を迎えています。これからも50代の皆さんの人生ビジョンの言語化を後押しし、更には日本のこころとの繋がりを認識いただける機会としても進化させていくことで、日本のこころが言語化され、伝えられることで、よりよい世界へ貢献していけるように、微力ながら努めていきたいと思います。